NHK アインシュタインの眼
徹底比較!イヌVSネコ Part2
今、日本は空前のペットブーム…中でも人気なのは、犬と猫
イヌ1193万匹
ネコ960万匹
飼育総計2100万匹以上
アインシュタインでは、性格、運動能力、マナーなど犬と猫の特性を徹底比較しました…しかし彼らのすぐれた能力は、語りつくせません…大好評につき、イヌVSネコ Part2です。
徹底比較!イヌVSネコ
コミュニケーション能力
ペットが一番リラックスするのは飼い主といるとき…飼い主を見つけた時の仕草の違いを比較…犬と猫それぞれ部屋の中に残します。
イヌ:飼い主が入ってくると尻尾を激しく振って全身で喜びを表現します。
ネコ:尻尾をピンと立てゆっくりすり寄るだけ。
飼い主をしたう気持ちは犬の方が強く見えます…この違いは犬と猫、それぞれが歩んできた歴史の違いから来ます。
麻布大学 伴侶動物学研究室 菊水健史 教授
「イヌ科の動物というのは、家族を中心とした群れで生活していて絆が強いので尻尾も激しく楽しそうに振るのが出ていたと思います」
「対して猫は単独生活をするわけで、さほど、わーいわーいみたいな喜び方はしない…自分の縄張りを大事にする動物で知ってる相手だねと確認する作業をする」
飼い主を群れのリーダーとして見ている犬、…一方、同じ縄張りにいる仲間だと思っている猫、元々の暮らし方の違いが仕草として現れていたのです。
イヌとネコは
飼い主のどこを見ているのか?
猫と犬に超小型アイカメラを設置、飼い主が部屋に入ってくると…
ネコ:視線は顔を追っています…手で方向を示すと…手を見ます…1分経過、厭きて知らん顔。
イヌ:顔を目で追っています…しかし、手で方向を指し示すと手の先に視線がゆきます。
麻布大学 伴侶動物学研究室 菊水健史 教授
「犬は、人の指の先を先に察知して、ものを探すというのが進化の過程、家畜化の過程で犬が特殊に得てきた能力であって、他の動物にはない能力だといえます」
犬が人と暮らし始めたのは3万年前、人との長い歴史の暮らしの中で犬は飼い主の意図を先読みしようとする優れた能力を身につけたのです。
更に犬は、人間の表情、笑顔を見分ける事が出来るのです。…犬は人間の僅かな表情の違いを読み取る優れた能力を持っているのです。
徹底比較!イヌVSネコ
身体能力
前回は、瞬発力は猫、持久力は犬でしたが今回は、バランス感覚…高さ120㎝の平均台、幅30㎝・15㎝・7㎝・3㎝に挑戦。
犬猫ともに30㎝は楽々クリア…15㎝猫は余裕、でも犬は不安定、尻尾も猫は真っ直ぐ立てたままだけど犬は左右に振ってバランスをとっています。
横から見ると猫は安定しているのに犬は体が上下しています。
幅7㎝に挑戦…犬は躊躇していましたが思い切って進みます…落ちた!…犬はここでリタイヤ…ご苦労さん…猫は楽々クリア。
いよいよ猫、3㎝に挑戦…でもあっさり渡っちゃいました。
良く見ると前足をぐっと内側に引き寄せ、更に指先を開いて台を掴んでいるのがわかります…この足の動きは猫の骨格に関係があるのです。
猫には鎖骨があるのです…一方、犬には小さな痕跡があるだけ、退化してしまっているのです。
日本獣医生命科学大学 獣医学部 尼崎肇 教授
「猫には鎖骨があることで前足を内側に引き付ける筋肉が発達し、前足が犬に比べると自由度が高いのです…一方、犬は足を前後に動かす筋肉が発達しています…走るのに適しています」
走る事に特化した犬、前足を使って器用に動く猫、ほんの僅かな骨格の違いがそれぞれの優れた能力を生み出していたのです。
※犬は手を開かせたりするのは危ないです…脱臼したりしてしまいます。…でも猫はぜんぜん大丈夫。…ちなみに平均台を渡ったネコは、『とよた真帆のネコ学』に出てきたミルクティーです。
徹底比較!イヌVSネコ
暗闇エサ捕りレース!
ブロックを積んだ障害物をつくり明りを消した状態でどちらが早くエサまでたどり着くか競争します。
イヌ:鼻を利かせて匂いを嗅いでいます…エサのありかがわかったのか積み木をなぎ倒してまっしぐら…パク…16秒37。
ネコ:またまたミルクティーの登場、エサのありかが、わからないのかスタート地点を行ったり来たり…ようやく動き出すと素早く障害物を避け、エサをゲット…パク…23秒02。
暗闇での勝負、犬の勝ち…この差は嗅覚です。
理学博士(動物生理学) 外崎肇一さん
「犬は鼻が長くとがって大きいということと、匂いを受け取るところの面積が170平方センチ、対して猫は40平方センチ…犬の方が嗅覚、感度はいいのです」(犬はハンカチサイズ、猫は折り紙サイズ、人間は切手サイズ)
一方、障害物レースでは犬に負けたものの、しっかりとエサにたどり着いたネコのミルクティー…暗闇では犬より周りが見えているといわれている猫ですが、エサにたどり着けた理由はそれだけではありません。
麻布大学 獣医学部 大田光明 教授
「猫のヒゲがポイントです…ひげ『触毛』というんですがそのまわりにたくさんの知覚神経があって情報を脳に伝えているのです…空気の動きでさえ感じる事ができる大変素晴らしいセンサーの役割を果たしてます」
ねこは吊るされたエサが揺れる空気の振動を感じていたのです。
最後に…犬の鼻の脇の切れ目は、正面からだけでなく脇からも匂いが嗅げるように切れているそうですよ。
イヌとネコは、いろんなサインを出しています…だから飼い主はサインを読み取って対応すれば、もっとイヌやネコと仲良しになれるんですね。
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