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とよた真帆のネコ学…気まぐれの秘密
猫って何を考えてるか分かりにくい…あまえたかと思うと知らんぷり、何とも気まぐれな動物です。6匹の猫と暮らす女優のとよた真帆さん…飼い猫たちの気持ちを理解したいと常々考えていますが??
猫の気持ちを解き明かします…指南役は、動物学者・今泉忠明さん、国立科学博物館で哺乳類の生態を研究、西表山猫の調査にも参加しました。
今泉さんは、猫の性質を知れば、猫が何を考えているか手に取るように分かると言います。
都内のスタジオで撮影に参加してくれるのは雄猫・ミルクティー君…棚に落ち着くのかと思えば突然飛び出します…向かったのは窓辺、外に出たいの?…しかしまた動き出します…部屋の反対側へ…部屋の隅を歩き回っています。
動物学者 今泉忠明さん
「これは部屋で危険が来た時、一直線で逃げられるんです…だから頭の中に必ず地図を作るのです…どこに何があるか探っているのです」
猫は群れではなく単独で生きる動物です…その為、自分の縄張りを確保し、常にそこが安全か見張る本能が備わっているのです。
更に撮影機材に自分の体を擦りつけ始めました…実はこれも猫の本能、身体を擦りつけるのは自分の匂いを付け、縄張りを主張しているのです。
猫が良くする爪とぎにも同じ意味が…
動物学者 今泉忠明さん
「猫は肉球がありますよね…そこから汗が出ます…汗の匂いを付けているのです」
猫好き女優 とよた真帆
「つまり、ここに初めてきたけど、とりあへずここを自分の匂いだらけにしないと落ち着かないのですね」
飼い猫になっても自分の縄張りを主張する本能は忘れません…反対に自分の匂いを消す行動をとることもあります。…それが猫のトイレです…猫がオシッコをした後、砂をかけます…強烈な匂いを残しておくと敵や獲物に自分の存在を知られてしまうからです。
猫好き女優 とよた真帆
「でも先生、排せつした後に上手く隠す猫と隠さない猫がいますよね…なぜですか?」
動物学者 今泉忠明さん
「隠すのは、自分の縄張りの中のトイレです…隠さないのは自分の縄張りだよと他の猫に知らせる行動です…匂いで自分の場所だと言い張ってるのです。…つまり多頭飼いの場合、隠さない猫は順位が上なのです」
これは野良猫の行動調査で明らかになったのです…その地域で勢力を持つボス猫は、縄張りを主張するために排せつしても砂をかけない事があるのです。
猫をスタジオに入れてから30分、今度はスタッフのカバンが気になるようです…袋に入るのも猫の不思議な行動、これも猫の本能なんです。
ペットの猫の祖先は、砂漠で暮らすリビア山猫です…ネズミなどの小動物を獲物にしています。袋は鼠の巣穴のつもり、猫は狩りをしたいという欲求から、ついつい袋に入ってしまうのです。
ペットになっても縄張りを持ち、狩りをしたいという気持ちが受け継がれているのです。
ペットとして生きる様々な顔
猫は古くから愛玩動物として人とともに生きてきました…そしてペットとして過ごすうち、元々持っていた野生の性質だけではなく様々な顔を見せるようになったのです。
猫の表情には、4つのポイントがあります。
猫のスイッチ
1.野生
2.ペット
3.親ネコ
4.子ネコ
これが瞬時に切り替わっていく…ですから飼い主からすると今どういう気分かよくわからないのです。…猫が気分屋に見えるのは、野生とペット、親ネコと子ネコの4つの気分が入れ替わるからなのです。
とよた真帆さんの6匹の猫で観察してみましょう…
1.野生スイッチ
雄猫フィオ(12歳)はよく窓の外を眺めています…これは、外を羨ましい…行ってみたいなと見ているのです…こんな時は、飼い主さんが読んでも聞こえません。
…他にもテレビの動くものに反応していたら野生スイッチがONになっている証拠です…声をかけず見守ってあげて下さい。
2.ペットスイッチ
こんな寝方をしていたらペットスイッチが入っています…野生じゃ考えられない、無防備、ペットそのものです。
尻尾もお腹も出しっぱなし…ペットになりきっています。…食べ物をねだるのもペットスイッチON…語りかけると返事をします…おやつがもらいたのです。
3.親猫スイッチ
4.子猫スイッチ
仲良く毛づくろいするところは親猫、子ネコ気分がわかります。
とよたさんの猫たちは、代わる代わるお腹の上でくつろぐそうです…これも子猫スイッチ…人に飼われている猫は飼い主を母猫のように感じているのです。
動物学者 今泉忠明さん
「家猫というのは、リビア山猫を家畜化したのですが、家ネコ自体が子ネコ気分なんです…飼われて行くうちに子猫のような可愛さを持っているのが好まれますから大人でも子ネコ気分のものが増えてきたのです」
猫のスイッチが
切り替わるタイミング
猫は、縄張りを持ちたい、狩りをしたいという野生本能が強く残っている動物です…しかし、ペットとして暮らす時、猫は野生の本能を無意識に抑制しています。
その本能が音や匂いによって瞬間的に呼び起されるのです…これが気持ちのスイッチが切り替わる理由、気まぐれなようですが飼い猫にとって大事なものなのです。
動物学者 今泉忠明さん
「野生に切り替わる事でネコ自身のストレスが解消されるのです」
猫の4つのスイッチ、今、何気分になっているか観察すれば理解がドンドン深まります。
気持ちのシグナル
尻尾のシグナル
1.尻尾を振っている時は、イライラしている…猫は尻尾で感情を表します…左右にバタバタ振っている時は、イライラの証拠、構うのはやめましょう。
2.尻尾をピンと上げているのは、甘えたい子猫スイッチは入っています…飼い主の事を母猫のように慕って甘えています。
3.怖がっている時は、尻尾の毛が逆立ちます…相手に対して自分を大きく見せる行動です。
4.尻尾をゆっくりと大きく振っているのは満足のしるし。
目からのシグナル
猫の目は、昼は光が入りすぎないように瞳孔は縦に細くなり、暗がりでは光を取り入れたいので丸く広がります。…針のように細くなったり、丸くなるこの目は、気持でも変化するのです。
1.オモチャを目の前にすると瞳孔が開きます…何か楽しいここがあるのかなと期待を表す表情です。
2.目が合った時にゆっくり目を細めるのは、心を許している証拠…名前を呼んだ時、猫が目を細めたら信頼されていると思ってください。
動物学者 今泉忠明さん
「ネコにも個性があります…この猫は、尻尾に表情が現れるとか、この猫は目だとか…飼い主は個性を観察してコミュニケーションしてあげて下さい」
女優 とよた真帆
「やはり猫の気持ちを尊重して生活するのが猫と暮らすルールだなと思いました…利己的に人間が猫をこうしよう、ああしようと思ってはいけない動物なのかなと…猫の生理にそった生活で心地よく生活してもらって、リラックスして可愛らしい猫に癒しをもらえる、そういうキャッチボールが理想ですね」
野生の本能とペットとしての可愛らしさを持っている事が猫の気まぐれの理由なんですね…猫の気持ちを理解したいなら、その姿をジッと見つめる事が近道なのです。
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